川口にいたので。。
モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」の会場は埼玉県の川口でした。
東日本大震災で高速の料金を免除してもらい東北に向かう時は
会社から帰宅した相方と楽器を積み込みシンデレラのように夜中の12時に川口通過を目指し
車を走らせました。12時過ぎちゃうと、この証明書は無効になってしまうんです。
そして翌日午前中の演奏スタートに間に合わない。
川口を夜中に出発して福島に行くのもいいね。
私たちはそんなことを考えていました。
佐野SAでらーめん食べました。
これは相方の食べたこってりタイプ。
私はさっぱり食べました。
今回はお約束していなかったので、のんびり移動。
なんて言いながら遠くに行きたかったので、福島を通過。
岩手まで足を延ばしてしまいました。
本当は飯舘の道の駅がオープンしたので行かねば!と思っていたのですが
道の駅は猫のユキの命日にオープンだったので。きっと私は泣いてしまったと思うのです。
それで、震災2年目の遠野で演奏した時に娘もいっしょに立ち寄った北上川のイギリス海岸に行くことにしました。
どんな時も家で待っている猫たちが居る。無意識の中に浮かぶものです。
それが今回は浮かぶたびに誰もいないと打ち消さなくてはならない。
寂しいものですね。
「飯にしようぜ!」いきなりハンドルを切って
相方が車を止めました。
このお蕎麦屋さんから、ひょいと登ったところに宮沢賢治記念館が2年前にオープンしていました。
童話作家としての宮沢賢治ではなく科学者としての宮沢賢治。
農業。地学。宇宙。宗教。芸術。宮沢賢治の短い生涯のなかでの研究の記録が網羅されている記念館でした。
レオナルド・ダ・ビンチみたいなんです。
日本のルネッサンスっていつなんだろう?
ヨーロッパと足並みを揃えていれば織田信長の時代。30年くらいで終わっちゃうけれど。
そして鎖国がとけて明治になってから、もう一度ルネッサンスがあるのだと私は思っています。
そしてイギリス海岸。
川が増水していて水辺近くまでは行けませんでしたけれど
悠々とした気持ちになることができました。
川底には太古の象の足跡があるのだとか。
今はダムの水が隠してしまっていますが地質的にも興味深いので
宮沢賢治はイギリス海岸と呼んだのだそうです。
2011年4月。
支援物資の仕分けを手伝っているユキ。
「ぼくも連れてって〜」